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菅原由勢がスウェーデン戦で90分フル出場、FotMob採点7.2が示す守備的役割の変遷

菅原 由勢 (ヴェルダー・ブレーメン / ブンデスリーガ) 💬 0

忙しい方のための要約

FotMob 7.2

一見すると目立たないスタッツの裏にある、守備的な貢献度を解き明かす。過去のメディア別平均傾向を見ると、FotMobは平均「7.1」と、比較的選手に対して寛容な採点をつける傾向がある。5月9日の試合でSofaScoreが「3」という極端に低い数値をつけた事実は無視できない。

90 出場時間

激戦のスウェーデン戦で見せた右サイドバックの現在地

6月26日に行われたスウェーデン戦において、日本代表は1-1の引き分けに終わった。

ワールドカップのグループF第3節という極限の緊張感の中で、右サイドバックとして90分フル出場を果たしたのが、ヴェルダー ブレーメン所属の菅原由勢だ。
この大一番で、海外スタッツメディア「FotMob」は菅原に対して「7.2」という高い評価を与えた。

日本代表で通算23試合の出場キャリアを持つ菅原だが、今大会ここまでの2試合では苦戦を強いられていた。

本コラムでは、今回提示された採点データと過去のパフォーマンストレンドを対比させ、菅原の戦術的な役割の変化を深掘りしていく。
一見すると目立たないスタッツの裏にある、守備的な貢献度を解き明かす。

過去データとの比較:底を打ったパフォーマンストレンド

今回の採点「7.2」は、菅原にとって直近の代表戦における最高値に近い水準となった。

直近の採点推移を振り返ると、その成長曲線と不安定さが同居している現状が見えてくる。

  • 2026-06-21:FotMob 6.3
  • 2026-06-15:FotMob 6.5
  • 2026-05-31:FotMob 7.6 / SofaScore 7.1
  • 2026-05-09:SofaScore 3
  • 2026-05-02:FotMob 7.2 / SofaScore 6.8

6月中旬の2試合では、それぞれ6.5、6.3と低調な採点にとどまっていた。

特に守備局面での後手に回る対応が目立ち、ビルドアップ時にもパスの出しどころを失う場面が散見された。
しかし、今回のスウェーデン戦での「7.2」は、5月31日に記録した「7.6」に次ぐ高水準である。

過去のメディア別平均傾向を見ると、FotMobは平均「7.1」と、比較的選手に対して寛容な採点をつける傾向がある。

対するSofaScoreは平均「6.22」と厳格な評価を下す傾向が強い。
今回のFotMobにおける「7.2」という数字は、単なる過大評価なのか、それとも実力を伴ったものなのかを精査する必要がある。

5月9日の試合でSofaScoreが「3」という極端に低い数値をつけた事実は無視できない。

当時のパフォーマンスは守備面の崩壊が主な要因と見られるが、わずか数週間で代表戦の舞台において「7.2」まで数値を回復させた適応力は特筆すべきだ。
この激しい評価のアップダウンは、菅原がマッチアップする相手のプレースタイルによってパフォーマンスが大きく左右される選手であることを示唆している。

📊 攻撃スタッツ「ゼロ」でも高評価を得た理由

スタッツシートに目を向けると、菅原のデータは極めてシンプルだ。

ゴール数「0」、アシスト数「0」であり、得点に直接関与するような決定的な仕事は行っていない。
イエローカードとレッドカードの枚数もともに「0」であり、クリーンに90分間を戦い抜いた。

通常、現代のサイドバックにおいて攻撃スタッツが皆無の場合、採点は伸び悩む傾向にある。

それにもかかわらず高得点を得た背景には、パスワークにおける安定感がある。

菅原の直近パス成功率平均は「88.1%」と極めて高い水準を維持している。

スウェーデンの組織的なプレスを無力化するため、菅原は無理な縦パスを避け、ビルドアップの循環を優先した。

この冷静な配球がパス成功率を押し上げ、チーム全体のポゼッションを安定させる要因となった。
自陣での確実な繋ぎが、スタッツ分析アルゴリズムにおいて高い評価点として反映されたのだ。

特に、相手の左サイドハーフがハイプレスをかけてきた際、菅原は焦らずにインサイドハーフへの斜めのパスを効果的に通した。

単にバックパスで逃げるのではなく、前進の起点となるパスを選択していた事実が、FotMobの評価を後押ししたと見られる。
攻撃のスタッツが「ゼロ」であっても、ボール保持局面での貢献度はこのゲームにおいて極めて大きかった。

デュエル勝率の課題とスウェーデンの物理的プレッシャー

一方で、手放しで称賛できない懸念材料もデータは示している。
菅原の直近におけるデュエル勝率平均は「35%」と、ディフェンダーとしては物足りない数字だ。

スウェーデン代表のような、屈強なフィジカルを前面に押し出してくる相手に対して、この勝率は致命的な弱点になり得た。

筆者の分析では、菅原はこのフィジカルの不利を、個人のデュエルではなく、周囲との連動による挟み込みで解決しようと試みた。

対面するアタッカーに対して不用意に飛び込まず、ディレイをかけることで味方の中盤が戻る時間を稼いだ。
これが、デュエルでの敗北を直接的なピンチに直結させなかった要因だ。

結果として、1失点には抑えたものの、個の対応における強度の低さは今後の改善点として残る。

デュエル勝率が「35%」付近で推移している限り、より強大な攻撃力を誇る対戦相手に対しては、サイドを制圧されるリスクが常に付きまとう。

スウェーデンの選手による強力なフィジカルコンタクトに対し、菅原が地上戦でファウルを犯さずに対応しきった点はポジティブだ。

しかし、空中戦においては身長差もあり、明確にターゲットにされていた事実は見逃せない。
ディフェンスラインの崩壊を防ぐため、センターバックとの距離感を綿密に維持した組織的守備の意識は評価できる。

筆者の見解:FotMobの「7.2」は妥当か、甘いか

筆者としては、今回の「7.2」という評価はやや甘め、実質的には「6.8」程度が妥当なパフォーマンスであったと見る。

ビルドアップにおける貢献と、カードを貰わずに守備を統制した点は評価に値する。
しかし、サイドバックとしての絶対的な守備強度という観点では、スウェーデンのアタッカーに突破を許す局面もあった。

かつて5月9日のクラブ戦で見せたような壊滅的な守備の崩壊は免れた。

だが、1-1のドローという結果において、右サイドから決定的なチャンスを量産できなかった点も考慮すべきだ。
攻守において「破綻はしなかったが、勝利を決定づける違いも作れなかった」というのが、筆者の冷徹な評価だ。

攻撃の起点としてのパスワークと、守備のデュエルにおける強度不足。

この表裏一体のパフォーマンスが、現状の菅原由勢が抱える最大のジレンマである。
ワールドカップという最高峰の舞台で生き残るためには、このデュエル勝率をいかにして40%台後半まで引き上げるかが鍵となる。

🗣 蹴太のひとこと

スタッツ上の数字は安定しているように見えるけれど、現地での印象はもっとハラハラするものだった。

特に後半、スウェーデンがパワープレーに出てきた時間帯での空中戦やルーズボールの競り合いで、菅原が身体を当てきれずに競り負けるシーンが気になった。
次戦では、ただパスを回すだけでなく、相手のウィングを力でねじ伏せるようなタフな守備対応を見せてほしい。

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