宮代大聖が所属するUDラス・パルマスのセグンダ・ディビシオン昇格プレーオフ挑戦が終わった。準決勝第1戦(6月8日、アウェー0-1敗戦)に続き、第2戦(6月10日)でも1部への昇格を果たせず、今シーズンのラス・パルマスのプロジェクトは2部残留という結果で幕を閉じた。3媒体の報道をもとに、2試合を通じた宮代の評価と今後の展望を分析する。
3媒体が伝えた報道の軸
今回のプレーオフ敗退について報じた3媒体は、それぞれ異なる切り口でこのニュースを伝えている。
サッカーキングと超WORLDサッカー!は同日(6月10日)に「ラス・パルマスの1部昇格はならず…宮代大聖フル出場もマラガとの昇格PO準決勝で敗退」というほぼ同一タイトルで記事を配信した。2媒体が同じ文面で伝えることは珍しくないが、「フル出場」という事実を明記することで宮代個人への言及を意識していることが読み取れる。昇格という目標への失敗という結果の中で「宮代は出場した」という事実を前面に出すことで、個人評価への影響を最小化しようとするニュアンスも感じ取れる。
フットボールチャンネルは6月8日の第1戦の後に早期に記事を掲載し、「現地メディアは及第点『チームを救うには十分ではなかった』」という評価を伝えた。「及第点」という表現は、宮代個人の貢献を完全に否定はしないが、決定的な仕事を果たせなかったことへの率直な見方を示している。「チームを救うには十分ではなかった」という言葉は現地スペインメディアの評価の引用であり、スペイン2部という競争の激しいリーグでの評価の実態を伝える上で最も生々しいコメントだ。
第1戦(6月8日)の内容——守備で貢献も攻撃で物足りなさ
第1戦のアウェーゲーム(マラガホーム)では、宮代は90分フル出場しながら0-1という敗戦を喫した。SofaScoreが6.7、FotMobが7.1という媒体間での評価差が生じた試合だった。FotMobの7.1はタックル2回・インターセプト1回・シュートブロック1回という守備3アクションが評価されたとみられる一方、SofaScoreの6.7はシュート1本(枠外)・キーパス1本という攻撃貢献の薄さを反映した。
フォワードとして守備に多く動員されたことはチームの戦術的要求であり、宮代自身の問題というよりチームとして崩しのチャンスを作れなかった試合内容の結果だ。デュエル勝率54.5%(6勝5敗)という対人戦での数値は、スペイン2部でのフィジカル競争に適応できていることを示している。
第2戦(6月10日)の敗退——逆転昇格の夢が断たれた瞬間
第2戦はホームのラス・パルマスに有利なはずの試合だった。第1戦0-1という結果を踏まえ、ホームの声援を背に逆転昇格を目指す場面だったが、結果として1部昇格は叶わなかった。サッカーキングと超WORLDサッカー!の記事では宮代がこの試合でもフル出場したことが記録されているが、具体的なスタッツは現時点では報じられていない。
2試合を通じて90分×2本のフル出場というフィジカル貢献は、シーズン末という消耗した時期においても宮代が監督の信頼を受けていたことの証明だ。昇格という最高目標に届かなかったという事実の重さは否定できないが、個人としての積み上げという点では評価できる内容だった。
「チームを救うには十分ではなかった」——現地評価の意味
フットボールチャンネルが伝えたスペインメディアの「及第点・チームを救うには十分ではなかった」という評価は、スペインのサッカー観を理解した上で読む必要がある。スペインの現地メディアにおいて「及第点(aprobado)」は日本的な意味での「まあ良かった」ではなく「最低限の合格」という厳しい基準の表現だ。
フォワードとして決定的な仕事(ゴール・アシスト・チャンス創出)が求められるポジションで昇格PLAYOFFという大一番にゴール・アシストなしで終わったことは、スペイン現地の評価基準では「物足りなかった」という判断が下されて当然の結果でもある。ただし「及第点」という言葉が使われている以上、「完全な失敗」とは区別されており、宮代の全体的なパフォーマンスへの最低限の評価は示されている。
今後の去就——昇格失敗が問い直すキャリア選択
ラス・パルマスの1部昇格失敗により、宮代の来シーズンの環境が問われる。セグンダ・ディビシオンでの継続か、1部リーグへの移籍か、あるいは代表との兼業を見据えたクラブ選びかという選択肢が浮上する。
日本代表の視点では、W杯スコッドの一員として招集される可能性と来シーズンの所属先が連動する。1部リーグへの移籍が実現すれば代表での評価ランクが上がる可能性があるが、セグンダ継続の場合は「プレータイムと出場機会を確保した上でアピールする」という戦略が継続することになる。
スペイン2部全体を通じた宮代の過去平均採点6.8という数値は、リーグ内での安定した水準を示している。来シーズンの所属先がどこになるにせよ、デュエル勝率54.5%・守備3アクションというデータはポテンシャルの証明として機能するだろう。
蹴太のひとこと
自分としては、第1戦でのタックル2+インターセプト1+シュートブロック1という守備3アクションは「フォワードが昇格POでここまでやった」という点で評価したい。ただ、シュート1本(枠外)という攻撃数値は、昇格がかかった2試合での「決定的な仕事」としては明らかに薄い。フットボールチャンネルが伝えた現地メディアの「チームを救うには十分ではなかった」という評価は本質を突いている。来シーズンに向けて、「守備もできるFW」という評価をベースに、枠内シュート数を2〜3本/試合へ引き上げることが市場評価の鍵になりそうだ。