AZアルクマールに加入したDF毎熊晟矢が、早くもオランダで最初のタイトルを獲得した。
現地時間8月2日に行われたヨハン・クライフ・スハール(オランダ・スーパーカップ)にて、AZはPSVアイントホーフェンを4-0というスコアで下した。
この記念すべき勝利と新天地での毎熊の姿を巡り、国内メディアのフットボールチャンネルが異なる切り口から報じている。
1つは公式な栄誉に焦点を当てたもの、もう1つはチームの舞台裏における溶け込み具合を伝えるものだ。
ヨハン・クライフ・スハール制覇を巡るメディアの報道比較
フットボールチャンネルは、8月3日と4日の2日間にわたり、毎熊のタイトル獲得に関する記事を配信した。
3日の報道では、2009年以来となるスーパーカップ制覇というクラブにとっての歴史的価値を強調している。
一方、4日の報道では、試合直後のロッカールームの様子へと視点を移している。
同メディアは、AZが公式SNSに投稿した写真をもとに、毎熊が上半身裸で歓喜の輪に加わっている様子を記述した。
ピッチ上の厳かなセレモニーだけでなく、選手間の私的な空間における融和ぶりをクローズアップしている。
これら2つの報道から浮かび上がるのは、毎熊が単なる一兵卒としてではなく、クラブの新たな一員として精神的にも歓迎されている現状だ。
公式セレモニーでの露出と、ロッカールーム内での飾らない表情は、適応が順調に進んでいることを示す二面性のある証拠と言える。
PSVを4-0で圧倒したAZの完成度と毎熊の戦術的役割
この試合の価値を測る上で避けて通れないのが、対戦相手であるPSVアイントホーフェンの存在と、4-0という大差だ。
PSVは昨季のエールディヴィジを圧倒的な強さで制した王者であり、シーズン開幕前のこの一戦でも優位が予想されていた。
その王者を相手に無失点、かつ4得点を奪っての完勝は、AZのチーム全体の仕上がりの早さを示している。
毎熊はこの強豪との一戦において、右サイドバックとして先発メンバー、あるいは重要な戦力としてピッチに立っている。
セレッソ大阪時代に見せていた、内側のレーンを取りながらビルドアップを助ける攻撃的なセンスが、AZのポゼッションサッカーにどう組み込まれているかが戦術的な焦点だ。
昨季まで同ポジションの絶対的な主力であった菅原由勢がイングランドへ移籍したため、AZは右サイドバックの即戦力を求めていた。
菅原が築いた高い壁と比較される中で、毎熊が最初の公式戦でタイトル獲得に貢献した意味は大きい。
現地メディアやクラブ関係者がこの新加入DFに対して抱く期待値は、この一戦を境に現実的な信頼へと変わりつつある。
ロッカールームの歓喜から見えるチーム内での信頼関係
フットボールチャンネルが4日に報じた「上半身裸で喜ぶ姿」は、ピッチ外における適応度の高さを示す象徴的な場面だ。
一般的に、アジアから欧州へ移籍した直後の選手は、言語や生活習慣の違いから孤立しやすい傾向がある。
しかし、公式が投稿したロッカールームの様子からは、毎熊が周囲の選手たちと同等に喜びを分かち合っている様子が確認できる。
同じく新加入の市原吏音の存在も、毎熊にとっては心強い要素となっていると見られる。
同国出身の若い選手と共に、チームの勝利をロッカールームの最前線で祝う姿は、現地サポーターに対してもポジティブな印象を与えた。
こうした精神的な安定感は、長丁場のリーグ戦を戦い抜く上で、ピッチ上の戦術理解と同等以上に重要となる。
チームの輪に早くから溶け込んでいるという事実は、指揮官にとっても起用しやすい環境が整っていることを意味する。
言葉の壁を言い訳にせず、ピッチ内外で自己を表現できていることが、今回のスーパーカップ制覇という形となって結実した。
エールディヴィジにおける日本人守備者の現状と代表選考への影響
エールディヴィジにおける日本人ディンダーの動向に目を向けると、同じタイミングで対照的なニュースが報じられている。
フェイエノールトに所属する日本代表DF渡辺剛が、8月2日に行われた親善試合で負傷交代した。
超WORLDサッカーなどの報道によると、フェイエノールトの指揮官は「骨折はしていない」と説明しており、深刻な事態は避けられた模様だ。
渡辺剛の動向は、毎熊にとっても日本代表の守備陣の枠を争う上で無視できない要素となる。
渡辺はセンターバックが主戦場であり、毎熊は右サイドバックという違いはあるが、同じオランダリーグでしのぎを削る守備陣として、コンディションの差は代表選考にも影響を与える。
渡辺が軽傷であったことは朗報だが、プレシーズンにおけるコンディショニングの難しさを改めて浮き彫りにした。
毎熊が新シーズンに向けて万全のスタートを切り、さらにタイトルという目に見える実績を手にした事実は、今後の代表活動に向けても大きなアドバンテージとなる。
海外組の右サイドバックとしての地位を確立するためには、所属クラブでの継続的な出場と結果が欠かせない。
今後の確認ポイント
スーパーカップ制覇は最高の幕開けとなったが、本番はこれから始まるエールディヴィジのリーグ戦だ。
毎熊がAZの右サイドバックとして不動の地位を築くためには、以下の点が今後の具体的な判断材料となる。
- リーグ開幕戦におけるスタメン起用の有無と、その際の出場時間。
- 対戦相手の左ウインガーとの1対1における守備の強度とスタッツ。
- 攻撃時における、インサイドハーフやウイングとの連携による決定機の創出数。
これらの数値や実際のプレー内容を、オランダ現地メディアがどのように採点し、報じるか。
最初のリーグ戦における毎熊の具体的な起用法とパフォーマンスが、次の確認ポイントとなる。
蹴太のひとこと
自分としては、PSVを4-0で破ったスーパーカップの勝因に、毎熊が早くも戦術的なピースとして組み込まれている点を見逃せない。
公式セレモニーのシャーレリフトだけでなく、ロッカールームで上半身裸になって喜ぶ姿を報じた記事を見て、彼が新天地の空気に完全に馴染んでいることが伝わってきた。
前任者の菅原由勢が残した実績は大きいが、毎熊独自のインサイドに入り込むプレースタイルが、今季のAZに新しい攻撃の選択肢をもたらすのは間違いなさそうだ。